3日目の続き。この日、当初はヴァラナシからコルカタまで飛行機で行く予定だったが、夜行列車があるのを知り、面白そうなので予定を変更した。今思うと、この旅はホテルも、インド国内の飛行機も何も予約してないから恐ろしい。
もともと、ボランティア団体がやっている建設中の学校を見学する時間を確保していたが、この時間がぽっかり空いたので町を散策することになった。S君と2人で歩いてると、インド人男性が日本語で話しかけてきた。なんとなく彼を「カルロス」と今から名付ける。カルロスは、彼女が日本人なので日本語が喋れるという。カルロス曰く、3人で一緒にシルクを買えば安くなるから、一緒に買わないかという。この明らかに怪しい誘いを当時の僕たちは、「名案」と感じ同行することになった。着いたお店は、シルク屋さんで、店一杯に商品が並んでいる。カルロスと店員が何やら話をし、僕たちは奥の部屋に通された。そこにも大量のシルクが並ぶ。奥から最初の店員とは別の店員が姿を現した。いろんなシルクの紹介が始まり、本物か確認するためライターで生地を炙ったりしていた。ここまでは、まー良かった。話は進んでいき、一人3枚づつ買えば安くなるという。金額は覚えてないが、そんなに可愛い金額ではなかったと思う。僕は単純に、3枚もいらないし、使い道もわからないからそんなにいらないと言った。S君はなぜか買う気満々だった。笑。店員とカルロスは、話合い、徐々に険悪な空気になっていった。向こうの話していることは分からないし、奥の部屋で人目につかない、しまいには、2人は僕にキレだす始末。恐怖心も芽生えてきた。しかし、あまりにもしつこいセールスにこっちもイライラしてきた。こっちは、そんなにいらないと言っているのに、みんなで買えという。そしてこのやり取りが永遠と続くので僕はついにキレた。日本語で。店員とカルロスに、覚えたての関西弁でまくし立てる。向こうはその勢いに押され、交渉決裂。僕らは怒り狂い店を出たが、カルロスは出てこなかった。後で詳しい人に聞くと、これは詐欺だと判明。関西弁で何とか、かいくぐった出来事だった。「学び」外国で、理不尽なことが起きたら、とりあえず母国語でキレたらいい。
追記 インドに着いてからの僕は、何かあればいつでも戦えるよう、心の拳を常に握りしめていた。
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