進路に迷ったら

日記

18歳。

当時の私は工業高校3年生。2つの進路で迷っていた。「世界を支える技術者になる」か「教員になる」。影響を受けやすい性格は今も変わっていない。1つめの進路は、当時テレビでやっていた、痛くない注射針を製作する町工場社長、岡野雅行さんを見てカッコいいと思ったのがきっかけだ。昔からプロジェクトXやガイアの夜明け、カンブリア宮殿にめっぽう弱いなとこれを書きながら思う。2つめの進路は、私の母が教員をしてたから。

なかなか進路が決まらない私を見て、母が「実際に町工場を見に行こう」ということで、妹を連れて3人で急遽、東大阪会社見学ツアーが決行された。ちなみに実家は福岡。アポはもちろんない。この母の「まずは行ってみよう、やってみよう精神」はこの時から自分の中に芽生えたのかもしれないが、当時はその勢いに圧倒されるだけだった。

思い立ったが吉日、次の日には新幹線に乗っていたと思う。東大阪についてまず、ハローワークを訪ねた。担当のおじさんが親身になって、相談にのってくれ、2つの会社に会社見学をお願いしてくれた。感謝しかない。1つめの会社は、その日お休みだったと思うが会社を開けてくれて、説明をしてくれた。ざっくりで申し訳ないが、宇宙関係の企業だったと思う。企業秘密の素材も見せてくれた。感謝しかない。2つめの会社は心苦しいが覚えていない。ただ、自分の中で「ものづくり」の魅力にどんどん引き込まれていった。

急遽現れた田舎者3人衆に親切にしてくれた、ハローワークのおじさんに最後お礼がいいたくて、再度ハローワークを訪れた。おじさんはそこで最後のアドバイスをくれた。「もし可能なら最初から中小企業に入るのではなく、大手に入って幅広い知識を学んで、それから中小企業に入っても全然遅くないよ」とのこと。そんなこんなで、弾丸ツアーは幕を閉じた。

実家に帰って、布団の中で進路のことをぐるぐる考える。(このぐらいの時期は、寝る前にいろんなことを考えるのが好きだったな、今は早く寝たいが)結局、ハローワークおじさんの言葉が決めてとなり、神戸のM重工を受験することになった。

なにかに迷ったら、実際に「行ってみる、やってみるが」のが解決方法かもしれない。

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