その出会いは必然だった。講堂で座学を学ぶ際、いつも派遣国で指定された席に座る。僕の両隣は、20代半ばぐらいの女性と男性。2人は、びしっとスーツで決めているが、真ん中の僕はアメカジスタイル。お互い緊張の中、探りあいのような会話をしていた。が、僕のセンサーが作動しだす。隣の男性に、なにか違和感を感じるのだ。男性のきっちりとした服装とは裏腹に、言動から、何か無理をしている感じが伝わってくる。僕は、面白くなって、つい「なんか、それっぽく見せようとしてますよね」と笑いながら聞いてしまった。すると彼が「バレた?笑。」と返答。僕は、この人に一気に興味が湧いて、いろんな話をした。
当時彼は27歳、大分出身の服飾隊員。中性的で、物腰柔らか。ふとした時に、哲学的な事を言うから、仲間内ではニーチェと呼ばれていたので、ここでもニーチェと呼ぶ。ニーチェは、みんながかしこまった服装で真面目っぽく?話を聞いている状況に違和感を感じていたみたい。本人も、かしこまるタイプではないから、ぎこちなかったようだ。そんな状況で、隣に周りの服装お構いなしのアメカジ小僧が来たから、始めから僕に興味を持ってくれてたようだ。
そんな彼と訓練所はもちろん、フィリピン活動中や帰国後も仲良くさせてもらうことになる。一生ものの出会いはこうして始まった。ニーチェはこのブログの中で何度も出てくることになる。
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