郡山駅の中華料理屋にて、みんな注文し料理を待っていた時だった。目に見えている世界が急に揺れだした。みんな急いで机の下に身を隠す。隣では、棚から食器がすごい勢いで落ち、割れ、飛び散っていた。窓から外を見ると、向かいの大きなビルが横に大きく揺れている。そこで、これは只事じゃないと気付く。「大丈夫、大丈夫」何度も言い聞かせる。大きい荷物はあるが、なんとか外の広場に出たい。大きな揺れが落ち着いた段階で、みんなで広場にでた。途中、駅の看板が落ちて散らかっている。
広場にでた時の光景は今でも覚えている。この日は、寒かったが雪は降っていなかった。しかし、地震発生後はまるで違った。急に空が真っ暗になり、雪が降りだした。広場には、泣いてる子供たちもいた。今までの平穏な日々が一瞬で世界の終わりのような風景に変わった。
広場には、多くの人が集まっていた。間もなくして、携帯が繋がらなくなり、公衆電話に長蛇の列が出来る。揺れは断片的に続いていた。駅長が出てきて、電車が動かないことを伝える。どうやら飛行機もダメみたいだ。
一度お別れした、訓練所のメンバーとも再会、みんな路頭に迷っている。その中に勝さんもいた。今、自分たちに何が出来るのか考え、とりあえず近くにいるであろう、訓練所メンバーを、自分と勝さん、ニーチェで探すことにした。メンバーを一か所に集めてからは、新しい情報を待った。道路も壊れて動かない所もあるらしい。親と連絡が取れず、寒さに震える子供を励ましながら、時間が過ぎていった。
この状況で、無償で温かいお茶を提供してくれていた駅近く吉野家さんには感謝しかない。多くの人が、精神的にも肉体的にも助けられたと思う。
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