初めて、製造中の船に足を踏み入れた時は、ワクワクもあったが驚きのほうが大きかった。溶接の煙が立ち込め、視界が悪く、空気も悪い。足場も悪く、下ばかり向いているとヘルメットにいろんな物が当たり頭に衝撃がくる。でも慣れると気にならなくなっていった。現場の仲間も増え、冗談を言い合った。船内は広く、声が届かない場合は、お互いに合図の奇声を発し、仕事終わりに立ち飲みに行くかジェスチャーで会話をした。ガテン系で男らしく、かっこいい先輩もたくさんいた。自分が出来ることが増えると、段々と仕事が楽しくなっていった。
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